New! 沼田研究室で用いる主要な計測手法である感圧塗料について、リンク先の専用ページで詳細に説明しています!
New! 研究室配属用 Teams (2024 年度版) にて研究紹介スライドを配布しています!(対象者限定)
沼田研究室では、音速を遥かに超えるような速度で飛翔する超音速・極超音速航空機の研究や、新たな火星探査方法として提案されている火星探査航空機の開発や概念設計など、先進的な航空機の開発に役立つ空力研究を実施しています。また、それらを計測面で支援する目的で、感圧塗料や感温塗料などの、いわゆる光学可視化技術の開発研究も並行して実施しています。先進的な計測技術で空力研究を促進し、人類の発展に資する研究成果を目指して日々研究活動を実施しています。
また、上記研究の成果は航空宇宙分野に限らずあらゆる分野に適用可能であり、工学の枠を超えた医学研究などにも応用の場を拡げています。
取り組んでいる課題の代表的なものを以下に列挙します。リストから直接飛ぶことも可能です。
- 空力研究のための、分子イメージング技術を用いた先進的流体可視化計測手法の開発
- 超音速・極超音速飛翔体由来の衝撃波に起因する各種の流体現象の解明
- 火星飛行機の実現に向けた高性能翼型の探求及び火星飛行機の概念設計
- 各種実験装置の開発
分子イメージング技術を用いた流体可視化計測手法の開発
沼田研究室では、感圧塗料を中心とした分子イメージング技術を開発・活用しており、非定常流体現象に起因する非定常圧力場の計測技術の開発を目指しています。また、飛翔体模型上の圧力の計測や飛翔体に由来する衝撃波 (ソニックブーム) に起因する非定常圧力場、運動する物体上に現れる圧力場や音速以上の速さで伝播し変動する非定常圧力場等、通常は観察・計測するのが著しく困難な計測対象に対する「非定常な表面圧力計測のための分子イメージング技術」の開発及び技術確立を目指しています。
本課題の達成のため、沼田研究室では自動塗装装置を用いた新たな PSP 作成技術の開発なども実施しており、世界最高の時間応答特性を有する塗装型陽極酸化皮膜型感圧塗料 (Dye-Painted Anodized-Aluminum Pressure-Sensitive Paint, DP-AA-PSP) の開発など、従来の PSP では決して計測できない研究対象に対して適用可能な PSP の開発などを精力的に続けています。
更に詳細な内容は、リンク先で説明しています。
キーワード : 感圧塗料、蛍光油膜法、ミニタフト法、非定常、動的、移動物体、時系列計測、高速度撮影、自動塗装装置、超高速応答型感圧塗料、DP-AA-PSP、etc
超音速・極超音速飛翔体由来の衝撃波に起因する各種の流体現象の解明
沼田研究室では、超音速や極超音速で飛翔する物体や、宇宙カプセルのような極めて高速で空気中を移動する物体について、その表面や物体周りの非定常圧力場・温度場を、様々な光学的可視化手法を用いて研究しています。感圧塗料や干渉計法などの様々な光計測手法を駆使して超音速・極超音飛行物体上もしくはその周囲の圧力場や温度場を理解し、そのデータを用いて飛行物体上の空気力学現象を明らかにします。それらデータを用い、超音速・極超音速航空機の実現に向けた様々な研究を行っています。
また、通常は計測が著しく困難な飛翔体由来の衝撃波に起因する非定常圧力場の高速度時系列計測手法を確立し、将来の超音速・極超音速旅客機の実現に向けたソニックブーム計測技術の実現も目指しています。
キーワード : バリスティックレンジ、超音速、飛翔体、カプセル型飛行体、ソニックブーム、非定常感圧塗料、非定常感温塗料
火星飛行機の実現に向けた高性能翼型の探求及び火星飛行機の概念設計
沼田研究室では、火星飛行機の実現に向けた様々な翼型の空力特性の解明を目指した研究を行っています。近年、NASA が火星ヘリコプター Ingenuity により地球外惑星における動力飛行の実現性を実証するなど、大気を持つ惑星や衛星の探査における空気力学的効果を用いた航空機の利用は既に夢物語ではなく、今後さらに検討され、成果が注目される分野です。沼田研究室では、火星飛行機の飛行環境に最適化された翼型やそれに付加するデバイスの開発を通じ、火星環境下においてより効率的に揚力を発生する翼型の開発や、その空気力学的特性を明らかにすることを目指します。
また、火星大気中を超音速で飛行する飛行探査機 (超音速火星飛行機) の実現に向けた各種の設計やそれに関連する各種の空力試験にも取り組んでいます。近未来において火星大気を高速で飛行する航空機の実現を目指し、感圧塗料技術を駆使した様々な理論的・実験的研究を行っています。
キーワード : 火星飛行機、概念設計、翼型、空力デバイス、バイオミメティクス、低レイノルズ数、探査機、etc.
各種実験装置の開発
沼田研究室では、様々な流体現象の解明に必要となる実験装置の開発を進めています。特に、低速から超音速までの様々な速度で物体を射出可能なバリスティックレンジ (弾道飛行装置) の開発や、衝撃波を発生させることが可能な衝撃波管の高性能化に向けた開発研究、さらには風洞をはじめとする様々な流体実験装置の試験部に設置可能な流体実験用の特殊計測装置の開発を実施しています。加えて、分子イメージング技術の適用精度向上を目指した自動塗装装置などの開発も行っています。
また、火星探査機の機体製作や各種実験装置の自作を目的として、ロボット工学に基づく装置開発も開始しました。ROS 2 (Robot Operation System) を用いた設計・製作を実施し、航空宇宙工学における各種の実験へのロボットや自動化の概念の導入を進めています。
キーワード : バリスティックレンジ、衝撃波管、風洞、流体計測装置、自動塗装装置、設計、ROS2、Matlab、Python、エッジAI、etc.